ふたたび「地球の静止する日」

創元SF文庫

SF映画原作傑作選

「地球の静止する日」より

「主人への告別」
(「地球の静止する日」原作)

作 ハリイ・ベイツ

2006年3月

発行 東京創元社
SF映画「地球の静止する日」の原作である「主人への告別」です。
映画と原作小説のストーリーがまったく違うのは驚きです。
これは、小説の解説によれば、映画製作会社は、当初、SFを題材にした地球の危機を訴える映画を企画したそうです。その原作に、1940年に発表された「主人への告別」が選ばれ、宇宙人クラートゥとロボットのヌートがワシントンに飛来する部分だけを取り出し、映画用に独自のストーリーが展開されたようです。
宇宙人と言えば「地球侵略」というパターンがイメージとして強く感じられます。しかし、この映画も原作の小説も、ストーリーは違っても、宇宙人は侵略者としては描かれていません。それだけに、名作のひとつとして、強い印象を受けます。
ぜひ、映画と小説の両方を鑑賞されることをおすすめします。

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ウエルカム・ホーム!

ウエルカム・ホーム!

「ウエルカム・ホーム!」

鷺沢 萠 作

2004年3月 新潮社

2006年9月 新潮文庫

 鷺沢 萠さんは、私が大好きな作家のひとりです。

 この「ウエルカム・ホーム!」は、本当の家族のあり方というものを考える上で、とても素晴らしい作品だと思います。重く考えがちなテーマを明るいタッチで表現するのは、鷺沢さんの得意な、そして特徴的な文体・分野だと言えるでしょう。いま家族のことで悩んでいたり、考えることが多い方には、絶対におすすめの作品です。

 この作品が単行本として発売されたのが2004年3月。そして同年4月に、鷺沢さんは逝去されました。まったく突然のことで、私は訃報を伝える新聞記事を読んだ時、頭が真っ白になってしまいました。

 今でもその事実を受け入れることができません。他の鷺沢ファンの方々も同じ気持ちではないかと思います。「ちょっと、そこまで…」と、韓国あたりに旅行に行っているような気がします。

 鷺沢 萠さんは、大きな文学賞とは無縁でしたが、私たちにたくさんの愛情を残してくれました。これからも、彼女の作品を読み続けたいと思います。

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