「車のいろは空のいろ」


「車のいろは空のいろ」



あまん きみこ 作



北田 卓史 絵



ポプラ社 発行



1977年5月 初版発行



新聞報道によれば、児童文学作家の、あまんきみこさんが春の叙勲に選ばれたそうです。



私にとって、あまんきみこさんの作品「車のいろは空のいろ」は、まだ保育士を目指す前の高校生の時に出会いました。



最初は、シンガーソングライターの谷山浩子さんが、アルバムの中で、「車のいろは空のいろ」をテーマにした歌と語りを聴いたのがきっかけでした。



当時、小さい子どものことなど、まったく関心がなかった私が初めて買った児童文学作品でした。



空いろのタクシーを運転する松井さんが、さまざまな不思議な体験をして行きます。



小学校の教科書にも採用されたので、読まれた記憶がある方もいらっしゃると思います。



私は、戦争の空襲をテーマにした「すずかけ通り三丁目」、病気の母親のお見舞いに行く山猫を乗せたお話「山ねこ、おことわり」などが印象に残ります。



「車のいろは空のいろ」は、私の児童文学を読む上での原点です。

| | コメント (0) | トラックバック (1)

「ばばばあちゃんのマフラー」

「ばばばあちゃんのマフラー」

「ばばばあちゃんのマフラー」

さとう わきこ 文・絵

1997年10月

福音館書店

| | コメント (2) | トラックバック (0)

「てぶくろ」

「てぶくろ」

「てぶくろ」

エウゲーニー・M・ラチョフ 絵

ウクライナ民話

うちだ りさこ 訳

1965年11月

福音館書店

絵本の中では最もベーシックなものの中の一冊と言えるでしょう。

動物が一匹ずつてぶくろの中に入り込んでいくところは、不思議で楽しいお話です。年長組の子どもくらいになると、「てぶくろの中に動物がたくさん入るはずがないよ」と言う子もいますが、多くの子どもは、この不思議な話の流れを楽しんでいます。

発売からすでに40年以上も経過しているので、子どもの時に見た、という大人の方もたくさんいらっしゃるのではないかと思います。

名作は健在です。

| | コメント (0) | トラックバック (0)

「ふゆじたくのおみせ」

「ふゆじたくのおみせ」

「ふゆじたくのおみせ

おおきなクマさんとちいさなヤマネくん」

ふくざわ ゆみこ 作

2003年9月

福音館書店

このシリーズの一冊目の絵本です。

ふゆじたくを前に、くまさんとヤマネくんは、ないしょでそれぞれプレゼントをあげようと計画します。大きなくまさんと小さなヤマネくんのやりとりがとてもかわいらしく、すてきなお話になっています。

お店の品物を買う値段が「どんぐり○こ」というのは、子どもにとってもわかりやすく楽しいですね。

ヤマネという動物は、私は少々こだわりがあって、いずれ別の機会に詳しく紹介したいと思います。ネズミに似ていますが、北海道以外の全国で生息が確認されている日本固有の動物です。しかし、絶滅危惧種に指定されている動物で、めったに人の目に触れることはありません。

さて、この絵本に出てくる森の中にあるお店は、保育園の劇「ふしぎなもりのどうぶつたち」の脚本づくりに決定的な影響を与えました。子どもたちは、「お店やさんごっこ」が大好きです。実際に11月に保育園の中でも、他のクラスの子どもたちをお客さんとして招待し、「お店やさんごっこ」をやりました。

劇の中にお店やさんが出てくるのは、自然な流れとなりました。

| | コメント (0) | トラックバック (1)

「マドレーヌのクリスマス」

「マドレーヌのクリスマス」

「マドレーヌのクリスマス」

ルドウィッヒ・ベーメルマンス 作・絵

江國 香織 訳

2000年11月

BL出版

クリスマスもの絵本の中でも、意外と知られていない作品です。

クリスマスの夜、学校の先生や生徒はみんな風邪をひいて寝込んでしまいます。ひとり元気なマドレーヌだけが掃除や食事の準備をひとりでこなしていました。そこに現れた「じゅうたんしょうにん」が…

サンタクロースを思わせるような人物とマドレーヌのやりとりがとてもおもしろいですね。

また、「じゅうたんしょうにん」の魔法で、子どもたちが自分の家に帰る、というくだりは、現代の子どもには少し理解できないかもしれません。

クリスマスは、楽しい絵本がいちばんですね。

| | コメント (0) | トラックバック (0)

「マドレーヌといたずらっこ」

「マドレーヌといたずらっこ」

「マドレーヌといたずらっこ」

ルドウィッヒ・ベーメルマンス 作・絵

瀬田 貞二 訳

1973年5月

福音館書店

マドレーヌが住む寄宿舎学校の隣に、スペイン大使の一家が引っ越して来ます。大使の息子ペピートは、いたずらっ子でマドレーヌたちの悩みのたねとなります。

その後の「マドレーヌ」シリーズで、マドレーヌとともに行動することが多くなる「ペピート」が登場する絵本です。

ペピートは、いたずら好きで、動物を虐待し、人々を困らせます。今の時代であれば、ADHD(注意欠陥多動症候群)と診断されてしまうでしょう(笑)。

そのペピートをマドレーヌは嫌いますが、しだいに二人は仲良しになっていきます。二人とも、寂しい境遇にいたことが大きかったのではないでしょうか。ペピートがマドレーヌに少しずつ心を開いていくことによって、いたずらは減り、やがてみんなは理解し合うことができるようになります。

| | コメント (0) | トラックバック (0)

「マドレーヌといぬ」

「マドレーヌといぬ」

「マドレーヌといぬ」

ルドウィッヒ・ベーメルマンス 作・絵

瀬田 貞二 訳

1973年5月

福音館書店

もう古典に近い「マドレーヌ」シリーズの本は、子どもたちに大人気な絵本のひとつです。

ひとつひとつの絵の中に、パリのさまざまな風景が描かれているところが私は大好きです。

縁があって、10年ほど前にフランスを旅行したことがありました。パリにも数日間滞在したので、「マドレーヌ」の絵本の中に登場するパリの建物は、ほとんど知っています。

子どもたちに、この絵本を読む時はに、必ずパリの建物のエピソードなどをつけ加えて話をすることにしています。

この「マドレーヌといぬ」は、セーヌ川に落ちたマドレーヌを救った名犬ジュヌビエープが登場するもので、シリーズ中最も知られ、人気が高い絵本です。

| | コメント (0) | トラックバック (0)

「ほたるホテル」

「ほたるホテル」

「ほたるホテル」

カズコ・G・ストーン 作

1995年8月 こどものとも 発行

福音館書店

| | コメント (0) | トラックバック (0)

「もりのてがみ」

「もりのてがみ」

「もりのてがみ」

片山 令子 作

片山 健 絵

1990年3月

福音館書店

森をテーマにした絵本はいろいろあります。この絵本は、ひとりの女の子と、森の木や動物たちとの交流をほのぼのと描いたお話です。

考えてみれば、動物や木と交流できるのは、子どもだけ、それも小さい子どもに限られます。それがとてもうらやましくなります。「大人だって木々と話がしたいよ!」と思うのは私だけでしょうか。

女の子が森の動物や木に手紙を書くのは、劇の内容として楽しいかな、と思いました。

最終的に、文字を書くということが幼児には馴染みにくいことを考慮して、「手紙」は劇に反映することはありませんでした。

| | コメント (0) | トラックバック (0)

「また もりへ」

「また もりへ」

「また もりへ」

マリー・ホール・エッツ 文/絵

まさき るりこ 訳

1969年3月

福音館書店

男の子が、ふたたび森の中へ行き、動物たちと出会う、という「もりのなか」の続編です。

動物たちが、それぞれの最も得意とするものを披露する「うでじまん」を始めます。男の子も参加して、なんと一番になってしまいます。

その「うでじまん」は、「わらうこと」でした。

動物たちは「わらうこと」を知らなかったのです。

私たちは、毎日何かしらのことで笑います。しかし、本当にそれは心の底から笑っていることなのでしょうか?

テレビの「お笑い」を見て、「笑わされている」だけなのではないでしょうか?

この絵本を読んで、笑うこと=喜ぶこと、について考えさせられました。

| | コメント (0) | トラックバック (0)

「もりのなか」

「もりのなか」

「もりのなか」

マリー・ホール・エッツ 文/絵

まさき るりこ 訳

1963年12月

福音館書店

ひとりの男の子が森の中を歩いていると、いろいろな動物たちに出会います。その動物たちと一緒に森の中を散歩する、という「もりのなか」は、古典絵本の名作といえます。

劇の構想に考えあぐねていた時、この絵本のことを思い出し、動物が森の中を探索する設定を考えました。この時点で、劇「ふしぎなもりのどうぶつたち」の主人公はさまざまな動物たちです。

年長組の子どもたちが動物の役をやることに抵抗があるかな、と最初は思いました。しかし、それは杞憂でした。好きな動物を演じることができる、という案に、何人もの子どもたちが賛成してくれました。

こうして、また劇の構成が進み始めました。

| | コメント (0) | トラックバック (0)

「ほしになったふね」

「ほしになったふね」

「ほしになったふね」

武宮 秀鵬 作・絵

1997年5月

金の星社

とてもファンタジックで幻想的な絵本です。生命あるものみんなが生きる権利があり、理想の生活を追い求めていることを訴えているような絵本です。

前回紹介した「森は生きている」では、人や動物は「生きている」というより、「生かされている」というのが真理であるかのごとき表現があります。

では、私たちは誰に「生かされている」のでしょうか?

宗教では「神」なのでしょう。「森は生きている」では「自然界」なのです。十二の月の精もまた「自然界」の掟のもとに生きているのです。

地球を離れ、新たなる大地を求める「ほしになったふね」は、環境問題をも連想させます。

現在の世界から、別の、未知の世界へ旅立つ壮大なストーリーに惹かれ、何とか劇にならないかなぁ、としばらく考え続けました。でも、少しスケールが大きすぎるので、そのまま劇にすることはできませんでした。

| | コメント (0) | トラックバック (0)

「森は生きている」

「森は生きている」

「森は生きている」

サイマル・マルシャーク 作

湯浅 芳子 訳

岩波少年文庫072

1953年2月 初版

2000年11月 新版発行

岩波書店

原題を直訳すると「十二月」。マルシャークによって1946年に発表された有名な戯曲です。メーテルリンクの「青い鳥」とともに、代表的な童話劇として知られています。

一年の最後の日、大晦日に1月から12月までの月の精が集まり、偶然、主人公の貧しい娘と出会います。正直で働き者で素直な娘が「十二の月」の不思議な力によって幸せをつかむ、という典型的な児童文学です。スラブに古くから伝わる伝説がもとになっていますが、この童話自体もう、古典になりかけているかもれませんね。

私は、最初、この「森は生きている」のお話をおたのしみ会での劇にしようと思いました。もう20年ほど前、やはり年長児クラスを担任した時にも、この劇をやりました。

動機はいたって単純です。

まず十二の月が登場します。これで12人分の配役が決まります。それに主人公の娘、継母、その娘、そして森の動物たち… それで、もう20人くらいは決まります。脚本を用意すれば、劇としてはやりやすいのです。

「森は生きている」のお話は、さまざまなアレンジにより、紙芝居や絵本にもなっています。わがままな女王が登場しないものもあります。

でも、私は、わがままな女王が話の最後で改心するところが好きです。現代の物質的に恵まれた子どもたちに共通することだからです。

結局のところ、「森は生きている」をそのまま劇でやることにはなりませんでした。いちばん大きな理由が、主人公の娘です。登場する場面が多く、演じる子どもにとっては負担になるのです。それから、継母やその娘も役柄として、子どもにやってもらうことにためらいを感じました。最近は、劇で悪役をやらせると、子どもはとてもはりきって演じるのですが、保護者からクレームがつくことが多いからです。時代は変わりましたね…

| | コメント (2) | トラックバック (0)

「きりのなかのはりねずみ」

「きりのなかのはりねずみ」

「きりのなかのはりねずみ」

ユーリー・ノルシュテイン

セルゲイ・コズロフ 作

フランチェスカ・ヤールブソワ 絵

こじま ひろこ 訳

福音館書店

2000年10月25日 発行

かなり以前に、ロシア(当時はソビエト連邦)のアニメーションとして観たことがある作品です。

字幕もない、ロシア語のアニメーションでしたが、とても強い印象を受けました。

絵本として出版されているとは知りませんでした。書店で見つけ、すぐに買ってしまいました。

この絵本は、日頃からお世話になっている大切な方に、クリスマスプレゼントとして贈りたいと思います。

| | コメント (0) | トラックバック (0)

ハリーのだいかつやく

「ハリーのだいかつやく」

ジーン・ジオン 作

マーガレット・ブロイ・グレアム 絵

もり ひさし 訳 ペンギン社 1982年

ハリーのだいかつやく

 おなじみの絵本「どろんこハリー」シリーズの短編お話集です。絵本と児童文学の中間的な存在で、文字を覚え始めた子どもには、ひとりで読む本として最適の一冊です。

 ハリーの行くところ、つねにドタバタの連続。早い展開とおもしろさの連続するお話は、アメリカのテレビ・ドラマ(笑い声が入っているコメディー番組)を想い出させます。でも、ハリーはいたって真剣で、ハリーががんばればがんばるほど、思っていたことから遠ざかってしまうことになってしまいます。

 楽しいお話は、読んでいる子どもを夢中にさせます。こういう本が図書館に置いてあったり、教科書の副読本的な使われ方をすれば、学校の授業も楽しくなるのではないでしょうか?

| | コメント (0) | トラックバック (0)

魔女の宅急便

「魔女の宅急便」

角野 栄子 作

林 明子 画

福音館書店 1985年

060315_000033.jpg

 宮崎駿監督の長編アニメーション「魔女の宅急便」(1989年)の原作です。アニメがあまりにも有名なので、原作があることを知らない方が多いようですね。

 原作も映画も、キキの旅立ちと、訪れた街で「宅急便」を開業するところは同じです。しかし、映画はキキが魔力を失ったり、飛行船の墜落など、話を盛り上げるための仕掛けがありますが、原作の方は、どちらかと言うと日常的なエピソードが中心になっています。私は映画も大好きですが、原作の素朴さも好きです。

 一年間の修行が終わり、キキは生まれ育った街、両親の住む家に里帰りします。しかし、少し過ぎると、それまで暮らしていた街に自分の「故郷」を感じ、キキは再び旅立ちます。ここで話は終わりますが、このあたりは、地方から都会に出てきた人の気持ちを表しているかのような郷愁を感じさせます。

 「魔女の宅急便」は、その後続編も出ましたが、イラストが林明子さんの本作がいちばん完成度が高いのではないかと思います。

| | コメント (0) | トラックバック (0)

おしいれのぼうけん

「おしいれのぼうけん」

古田 足日・田畑 精一 作

童心社1974年

060306_141558.jpg

 三十代半ばまでの方であれば、保育園・幼稚園で読んでもらった記憶があるのではないでしょうか? それだけ、この「おしいれのぼうけん」は、長く語り継がれ、今でも子どもたちに人気が高い絵本の一冊です。初版から30年以上が過ぎても、まったく「古い」という感じがしないのは、名作と言われる絵本の魅力でもあります。この「おしいれのぼうけん」は、絵本と児童文学の中間に位置するような本ですが、本当におもしろく、誰でも熱中してしまいます。

 うるさい子どもはおしいれに入れられてしまう、という古風な「罰」は、今の子どもには斬新に受け止められます。みずのせんせいにおしいれに入れられてしまったさとしとあきらは、おしいれの中のもうひとつの世界へと旅立ちます。それは恐い「ねずみばあさん」の住む街であったり、機関車や自動車が走る道でもあります。ほんの一瞬の出来事が、子どもには長い冒険の旅となります。

 おしいれに入れられてしまった子どもの心理、「ごめんなさい」を期待する先生の心理がよく描かれていて、保育園の生活感がたっぷりあふれている内容になっています。こうして考えてみると、保育園という集団生活の基盤は、今も昔もあまり変わらないことがわかります。大人になっても、読み返してみると、自分の幼い頃を思い出すのではないでしょうか。

 文字を覚え始めた子どもがひとりで読む本としてもおすすめの一冊です。

| | コメント (4) | トラックバック (0)