「明日への遺言」という映画を観ました。
第二次世界大戦後、名古屋の住宅地一帯を無差別爆撃を実行したアメリカ軍搭乗員処刑の罪に問われ、戦犯裁判にかけられた元東海軍司令官・岡田資中将。空爆は軍事施設に限定した国際条約に違反した無差別爆撃を行なったアメリカ軍搭乗員はジュネーブ条約に規定された捕虜ではなく、戦犯であるという主張を一貫として行ない、法廷闘争を法による闘い―「法戦」と名づけ立ち向かう岡田資中将。
部下を守り、すべての責任は命令を下した自分にあるとする岡田氏の潔い姿は、次第にアメリカの検察官や裁判官をはじめ、法廷内、収容所内にいる人々の心を動かしていきます。
そして、言い渡された判決。
死と向き合い、若い部下を思い、家族の行く末を思い、そして生命をかけて責任を果たした岡田資中将。
その日、立ち会った僧侶が「お別れです」と言葉をかけたのに対し、「なあに、ちょっととなりまで行ってくる気分ですよ」と言って処刑場へ消えた…
ほとんどのシーンが法廷での場面で、主演の藤田まことの迫真の演技が光りました。弁護士役のロバート・レッサー、検察官役のリチャード・ニールもいい味を出しています。
さまざまな偽装問題が毎日のように報道される現代。怒鳴るように言い訳する人々。自分さえ良ければいい、自分だけを大切にする、という風潮が強い世の中。家族の愛情に支えられ、一旦自分が背負った責任は最後まで果たそうとした岡田中将のような人は、現代社会にはいないように思います。
決して過去の話というだけで片づけるのではなく、私たちは社会に生きる以上、何かしらの責任があることを自覚する必要があるのではないでしょうか。
大人として、父として、母として、企業人として、社会人として…
岡田中将が単なる意地だけで主張していたのではなく、自ら信仰する仏教の教えに従い、お経を唱え、座禅を組み、瞑想をしながら自分の気持ちの糸を張り続けた姿には、学ぶものが多いと思います。
自分の主張だけをすればいい、というのが世の中の流れのようですが、私は重荷から逃げ回ることよりも、与えられた責任を最後までまっとうすることを選びたいと思います。
今、責任ある仕事をする上で、岡田中将の気持ちに少しでも近づきたいと思いました。
若い人たちにも観てほしい映画です。
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