「イエスの生涯」

「イエスの生涯」
エルネスト・ルナン 著
忽那 錦吾/上村 くにこ 訳
2000年8月20日初版
人文書院 発行
著者のルナンは19世紀のフランスの学者です。この書は今から140年程前に書かれました。
とても読みやすい文章で、イエスの生い立ちからていねいに描かれていて、深い感銘を受けた一冊となりました。
フランスでは現在でも何百刷と読み継がれている名著だそうです。作者のルナンは初期キリスト教の歴史を膨大な書物に書き、本書はその第一巻になります。
この著作が日本では一般の出版社から刊行されたことは注目されることでしょう。つまり、キリスト教専門の出版社からではない、ということです。キリスト教関係の方に直接聴いてみた訳ではありませんが、信者の方にとっては、この書籍はもしかしたら無視するものなのかもしれません。
「イエスの生涯」というタイトルですが、聖書に書かれたことがすべてここに表されているわけではありません。まず、イエスが起こしたとされる奇跡の数々―湖の上を歩いたり、死者を甦らせたり、というエピソードはまったく書かれていません。また、物語の最後はイエスの処刑で終わっており、その後の「復活」は描かれていません。できるだけ生のイエスに迫ろうとしているルナンの意気込みがうかがわれます。しかし、このあたりは、信者の方にとっては許せないのかもしれません。
訳者の解説によれば、作者のルナンはイエスとキリスト教を大変愛していたそうです。
この書物は、イエスを身近に感じるものとして、私はとても素晴らしい本だと思います。数々の挿絵も感銘を受けました。読み終えていっそうキリスト教に関心を持つことができたと思います。今は続編を読み始めました。
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