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「新編 家族の練習問題」

「新編 家族の練習問題

―木陰の物語―」


団 士郎 著

2006年5月10日 初版発行

ゴマブックス株式会社


家族のあり方が社会的な問題になっています。
政府の教育再生会議は、親の子育てについて、「母乳で育てる」「赤ちゃんと目をあわせ子守唄を歌う」「食事の時はテレビを消す」「三世代の同居」などを「親学」というテーマで提言しようとしているようです。
とても当たり前かのようなことをわざわざ政府が国民に向かって言う必要があるのかどうか、家庭に政府が介入し過ぎている、という議論が起こるのも当然でしょう。与党内からも、「再生会議は、教育放談会議になっている」と言われるくらいです。
子どもの問題は家族の問題、これは誰も否定しないでしょう。
そして、家族の問題は社会の問題なのです。社会が子育てしやすい環境でなければ、家族がうまく機能しないのは必然的とも言えます。
まず社会の各種制度の整備が必要であって、親に健全な子育ての姿勢だけを押しつけるのは、反発が起きても不思議ではないでしょう。
「新編 家族の練習問題」の中には、親としての苦悩が、自分が親になって初めてわかる、というトピックスがあり、私は息苦しいほどの共感を覚えました。
自分が自分の親にしてきたこと。自分が親として子どもにしてきたこと。どれも矛盾と後悔と悔しさが入り混じっています。
家族の中で、例えば子どもの非行、父親の単身赴任、夫婦間の亀裂、虐待など、さまざまな問題が起きた時、家族というシステムを再生するのか、それともゆるやかに解体していくのか、千差万別のものであり、万人共通の法則などありません。
それをひとつの思想で括ってしまおう、という無茶なことをするのが時の政権であり、それに対して私たちは声をあげなければなりません。
家族はひとつのものであって、固有なもの、独立した個性をもったコミュニティであることを。

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