私が担任をしている年長組の子どもたちは、週一回「お手伝い保育」というのをやっています。これは、3グループに分かれて、0歳児、1歳児、2歳児の各クラスに入り、保育士の補助的な仕事をしながら、小さい子どもたちと過ごす活動です。ただ小さい子どもたちと遊ぶだけではなく、おやつの準備や後片づけ、着替えや外へでかける時のしたくなど、覚えること、やることはたくさんあります。したがって、お手伝い保育は、「小さい子のクラスに仕事をしに行く」という位置づけをしています。
と言っても、まだまだ5歳、6歳の子どもたちですから、小さい子をそっちのけにして赤ちゃん用おもちゃで遊んでしまったりすることもあります。また、年少の子どもとのコンタクトがうまくとれない子もいます。下に兄弟がいる子は慣れていますが、ひとりっ子や末っ子は傾向的に小さい子が苦手な場合があります。
でも、そんなことに関係なく、普段はやんちゃな子が赤ちゃんの世話を一生懸命やったり、いたずら坊主の男の子が「ぼくは○○ちゃんが大好きなんだ」と話してくれることもあります。
この活動は、私が今の保育園に勤め始めるかなり以前から続いているものなので、本当の目的は何なのか、正直言ってよくわかりません。
しかし、私なりに考えてみると、年長組の子どもたちが、さまざまな人間関係を学ぶ場であると思います。
まず大人との関係で、担任の私ではない保育士、つまりそれぞれのクラスの保育士との関係があります。保育士も人間なので、みな個性があり、子どもとの接し方もさまざまです。例えば、事細かく子どもに指示を与える保育士もいれば、厳しい保育士もいます。経験年数の若い、優しい保育士もいれば、ベテランでおおらかな保育士もいます。多くの保育士と接することによって、「大人っていろいろな人がいるんだなぁ」と思うことが大切な学習になります。これが単数担任のクラスだと、一年間一人の大人と一日の大半の時間を過ごすことになるのです。これは小学校でも同じです。ですから、たくさんの大人との関係を持つことは人間としての発達の上で、とても重要だと思います。
そして、小さい子どもたちとの関係があります。0歳や1歳、2歳の子どもは、まだ言葉の発達も十分ではないので、「ここに来なさい」と言っても誰も来ることはありません。言葉の指示など遠くとどかないのです。また、好き勝手に動き回ることが当たり前の世界なので、年長の子どもたちは接し方に苦労します。例えば、月齢が高くて口が達者な子どもほど、言葉で小さい子どもを動かそうとするので、最初は必ず失敗・挫折します。子ども同士が持つ感性で小さい子どもとうまくつながることができる子が、同じ世界と時間を共有することができます。今年度は、まだ始めて六回目くらいなので、一、二時間くらいの活動でも、年長の子どもたちは、とても疲れてしまいます。
でも、こうして少しずつ他者との関係を築きながら、人を知るための学びをしていきます。それがひとりひとりの発達を促すのです。
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